好きって言わなきゃヤダ。【完】

「えっ、那央?」




「こうしてれば、乙羽の手、温かくなるよ。」




ギュッと握る那央の手は


冷たいアタシの手とは違い、とても温かかった。




そして寒さからか


那央の頬はほんのりと赤く染まって見えた。




…そういえば、付き合ってた時も、


寒がるアタシの手を握ってくれたよね。




那央は、変わらず優しいんだね。




「ありがとね、那央。…でも、やっぱりこういうのは、よくないよ。」




アタシは、繋いでくれた那央の手をそっと離す。




アタシのことを気遣って


やってくれてるのかもしれないけど…。




でも、アタシ達は…もう友達だから。