「そうだ。前から言おうと思ってたけど、学校では私に話しかけないでよね。」


「えっ?なんで?」


「私は平和な学校生活が送りたいの。乙羽といると、麻里達があんまりいい顔しないから。」




まあアタシは、


いい意味でも悪い意味でも目立つもんね。




五十鈴は特に悪びれる様子や気まずそうする様子はなく、


淡々と顔色1つ変えぬ調子だった。




そうやって、正直に言ってくれるとこがアタシは好きなんだけどね。




まっ、五十鈴の言ってることも分かんなくないし。


ここは仕方ない。五十鈴のために身を引いてあげようっ。




「分かったよ!五十鈴に頼まれちゃ、仕方ないな~」


「ありがと。」


「じゃあ、学校以外だったら五十鈴に話しかけてもいいんだよね?」


「んー…まあ。」




ちょっと考える素振りを見せ、渋々の様子で首を縦に振る。




「仕方なく…って感じだね?」


「まあね。それじゃ。」




五十鈴の後ろ姿を見送り、アタシも自宅へと帰った。