「えっ!?ほ、ほんとに?そんな有名な人なの?」




「2年1組。名前は朝比奈瑠衣(ASAHINA RUI)。通称、毒舌王子。」




2年生…?


てことは、アタシ達と同い年じゃん!




「学校1のイケメンで、甘いマスクとクールな性格から他校にもファンがいるくらい超モテモテ。だけど本人は女に一切興味がないんだよね。それで、近づく女の子には酷い事を言って無残に振るんだってさ。だから毒舌王子ってみんなに呼ばれてるんだよ。」




「学校1のイケメン!?そんな人いたんだ!うあ~…ちゃんと顔を見ておけばよかった!」




さっき五十鈴も言ってたけど、アタシはあまり他人に興味がない。




だから、そんな人がうちの高校にいるなんて全く知らなかった。




学校1のイケメンか~…。


どんな容姿なんだろう?


ちょっと気になるな~




「私はまさか乙羽が王子のことすら知らないなんて驚きだわ。」




告白現場を通り過ぎながら、五十鈴はため息を零す。