好きって言わなきゃヤダ。【完】

視界から瑠衣君の姿を外すと参考書探しへと戻る。




…やっぱ、謝ったほうがいいのかな。




アタシのせいで機嫌損ねちゃったもんね。


…理由は分かんないけど。




よしっ、戻ったら謝っておこっと。


気まずい空気は苦手だし。




「あれっ。もしかして乙羽ちゃんっ?」




すると、どこか聞き覚えのある声がかかる。


その声を聞いた瞬間、反射的に背中に悪寒が走った。




聞きたくもない嫌悪感を思い出す声。




アタシの後ろに立っていたのは


ニコニコと笑顔を浮かべる桜田先輩だった。