「そういえばっ!さっき桜田先輩と話してるとき、アタシのこと学校1の美少女って言わなかった!?」


「…言ってない。」


「えっ!うそだ~アタシ聞いたよ?」




やっぱ瑠衣君もアタシのこと


可愛いって本当は思っててくれたんじゃないの?




あんまりにもアタシがしつこく聞くもんだから


瑠衣君はフンッとそっぽを向いてしまった。




「瑠衣君がアタシに落ちる日も、そう遠くないかもね~?」




「ホント、調子に乗るのやめてくれる?あと、距離が近いって言ってんじゃん、バカ。離れて歩いて。」







この時、アタシは気づかなかった。




心臓が鼓動を鳴らしてること。


彼の言葉に一喜一憂してること。


アタシの中で芽生えた、ほんの小さな気持ち。




瑠衣君のことを


愛おしい目で見つめていたことを…。