「ちょっ、乙羽…っ。」


「ありがと五十鈴…!嬉しいよっ!」




引き離そうとする五十鈴を無視して


アタシは力いっぱい抱きしめる。




アタシのことを心配してくれてるんだっ。


嬉しいっ。すっごく嬉しいよっ。




顔を覆うニヤニヤを止められない。




「分かったから…!ちょ、恥ずかしいし、いい加減離れて。」


「えへへっ。ありがとね、五十鈴。」




アタシは満面の笑みを浮かべたまま、五十鈴から離れる。


そんなアタシを見て、やれやれと笑う五十鈴。




「とにかくその先輩とは一緒に帰るのやめた方がいいよ。それに、朝比奈君はもういいわけ?アタシが忠告したっていうのに、無視して関わってるみたいだし。」




そういえば五十鈴には瑠衣君のことを何にも話してないんだっけ。


五十鈴になら話してもいっか。