五十鈴の声はとても苦々しく、嫌味っぽく聞こえる。




そして、キョトンとするアタシを見て、続けて話す。




「あの人、女好きで有名なんだよ。」




「えっ。おっ、女好き…?」




あの人が…?




確かに距離感は近いし、見た目もチャラそうだったけど…。




「私も詳しいことは知らなかったんだけど。麻里達に聞いたら、女好きの手グセの悪い先輩で有名らしいのよ。」


「そうなのっ!?」


「うん。カッコいいことでも有名みたいだけど、一部女子の間では、桜田先輩の裏の顔の話も出回ってるみたい。」




そっ、そうだったんだ…。


アタシ、全然気づかなかった…。