この会話…理仁君ともしたような。




「もしかして、桜田先輩のこと?」


「そう。まさか乙羽があの先輩の誘いを断らないなんて、思ってもみなかったから。知り合いって訳じゃないんでしょ?」




そっか、五十鈴もあの時教室にいたから、


アタシ達の話聞いてたんだ。




五十鈴は電柱に背中を預け、腕を胸の前で組む。




「うん、今日初めて知ったよ?だって、あんまりにも必死だったから断り切れなくて。」


「…やっぱり。」




えっ、なんでそんな呆れてるの?


アタシ、何かマズイことしちゃった…?




「ねえ、五十鈴。桜田先輩って有名なの?」




五十鈴の口ぶりだと、先輩のこと知ってるみたいだけど…。




「有名だよ。特に女の子の間では。」