好きって言わなきゃヤダ。【完】

「じゃ、教室戻ろっか。」


「乙羽ちゃん。ちなみにその先輩ってなんていう人?」


「えっとー桜田潤也先輩だよ?」




どうしたんだろう?理仁君。


もしかして知り合い?




なにか考えてるっぽいけど…。




アタシが疑問の眼差しを向けていることに気がつくと、


理仁君はニッコリと笑う。




「聞いたことあるような気がしたけど、思い出せなかった。ごめんね。」




少し申し訳なさそうな声色に首を左右に振る。




「大丈夫だよっ。なんかちょっと有名?な人みたいだけど。悪そうな人には見えなかったし。」