「ねぇねぇ、青山くんってどこから来たの?!」
「勉強出来る?!出来たら教えて!」
「お前って、彼女とかいんの?」
……エトセトラエトセトラ。そんな質問が私の隣の席、蓮司の席で繰り広げられている。
私が迷惑してんの分かってないなこれ……
まぁ、私は蓮司がこの教室で仲良くやってくれればそれでいいんだけどね…
でもさ、蓮司ってすっごいイケメンで、優しくて勉強だって出来る。
……それ即ち女子がいっぱい集まってくるってことだよね?!
もう疲れた…なんか蓮司が私の隣の席になったことにより、ねたんだ女子がいるらしく、よく私を睨んでくることもしばしば……
全く、好きで蓮司の隣になったわけじゃないのにさ、酷くない?もう今にも飛びかかって来そうな人もいっぱいいるような気がしてくるよ……
それに、蓮司は蓮司で平然と質問に答えてるし……
もしかして、私が迷惑してんの気づいてない?
いや、あいつに限ってそれは無い。だって幼稚園の頃から一緒いたから、(まぁ、昨日まで引越ししちゃって会ってなかったけど)お互いの気持ちなんて、顔さえ見てしまえば分かる。
そう、今蓮司は「あー、転校生ってこんなにめんどくさいのか……」って顔してるよ!!!
皆には分からないくらいかも知れないけど、私には蓮司の顔が引きつってる事ぐらいお見通しだよ!
これくらい見抜けなきゃダメだよ!
