あれ?なんだろ…これ。

えーっとなになに……?


『やっほー優華、優奈です。今日から私は出張に行っちゃうけど、元気にしててね!まぁ、蓮司君がいるから大丈夫だとは思うけど、何かあったら必ず電話してね!
優華の大好きなお母さんより』


……もうほんとになんなの?私のお母さんは、本当に自由人すぎて逆に呆れるわ……

しかも、最後には『優華の大好きなお母さんより』だって…

お母さんって日によってけっこーテンション変わるからなぁ…


もういいや……

私はその紙をゴミ箱に捨て、朝食の準備に取り掛かる。


六時になると、蓮司が起きてきた。

「あ、おはよー蓮司」

「……はよー」

あはは……蓮司って昔から朝が弱いよねぇ。

蓮司が席に着いたので、朝ごはんと紅茶を私の分と蓮司の文を運ぶ。


「いただきます」

私が手を合わせると、蓮司も手を合わせて

「……いただきます…」

と言った



「そう言えば、蓮司って転校生として来るんだよね?」

私が歩きながら言うと「そーだよ?」と、呑気に返してきた。

はぁ、蓮司って大事な事をすぐに言わないから困るんだよねぇ。そのせいで良く驚かされてるし。

「おはよー」

蓮司は職員室に行くようなので、私は自分の教室のドアを開け、挨拶をした。

そうすると、私の親友、如月志保ちゃんが一番に挨拶をしてくれて、私に飛びついてきた。ちなみに志保はこの如月高校の理事長のお孫さんなのだ

「おはよー優華、今日も可愛い!」

と言ってほっぺたをスリスリしてくるあたり、貴方の方が断然可愛いと思うのですがそれは……

……気にしない方がいっか!

そんな結論に一人でたどり着いていると、予鈴がなって皆席に着く。

するとこのクラスの担任橘美琴(たちばなみこと)先生が入ってきた。

「えーっと、知ってる人は知っているの思うけど今日はこのクラスに転校生が来ます。」

可愛いソプラノ声で今日の事を言う先生は、この学校でかなり人気だ。


……って、その転校生って絶対蓮司じゃん。はぁ、やっぱりこうなる予感はしてた。

蓮司は昔から大事な事を言わなくて、良く蓮司のお母さんに怒られていたのをよく覚えている。