「星矢君、じゃあ、また明日。
凛様、お休みなさい」
私はそそくさと廊下へ出た。
廊下の柔らかい照明に、私の中の抑えつけた心がひりひりと痛み出す。
私が自分の部屋へ向かって歩き出そうとした時に、凛様が星矢君にちょっと待っててと言う声が聞こえた。
すると、あっという間に凛様は廊下へ出てきた。
そして、振り返った私の手を取ると、凛様は素早く自分の胸に私を引き寄せる。
「明日、お昼は一緒に食べよう」
「え、それは、無理です…」
凛様は私の首元に顔をうずめ、囁くように命令した。
「あの会社に俺は友達なんていないのに、一人でご飯を食べさせるなんて酷いよ。
常務の命令。
しばらくは、常務のランチにつき合う事」
それだけ言うと、凛様は私にウィンクをして、星矢君の部屋へ戻って行った。



