「いえ、それはダメです。
私と麻里先生は向こうで食べますので、凛様は星矢君と一緒に食べて下さい」
さすが清水さん…
ご主人様と使用人の線引きがちゃんとできている。
私は泣きそうになった。
この現実はちょっとだけプライドが傷ついてしまう。
私はまだ完璧な使用人になっていない。
「星矢君、後でね」
私は震える声でそう言うと、すぐに自分の部屋へ向かった。
視界の隅に凛様の姿を捉える。
いつもの何とも言えない切ない瞳で私を見ていた。
廊下を抜けて離れになっている自分の部屋の前に着いた私は、我慢していた涙が一気に溢れ出る。
そのドアノブに、私の大好きなシュガースィートコーンの紙袋が掛かっていたから。
そして、その紙袋には小さな付箋が貼ってあった。
…昨夜はごめん…
凛様らしい思いやりの一言に、私の心はまた騒ぎ出す。
でも、もう、浮かれたりはしない。
これは夢の中の出来事だから…



