シンデレラは騙されない



「凛太朗は、あんな短い間に、たくさんの企業にパイプを作っていたわ。
昔ながらの古いタイプの繋がりじゃなくて、これからのニーズに合ったまだ細いけれどこれから太く成長していくそんなパイプを。

私や母では思いつかないたくさんのアイディアで、重鎮の役員の心まで掴んでいた。

私達が凛太朗を認めて凛太朗にこの会社を託す事は、イコール、麻里先生との結婚を許す事。
その答えを出すのに、そんな時間はかからなかった」

すると、後ろの方にいた会長が私の目の前に立った。

「麻里さん…
それは、あなただったからよ。
真面目で仕事熱心で、それでいて愛情深くて…
私達のあんな酷い条件も、何も言わずにのんでくれた。
スマホまでここに置いて、あなたは出て行った。

私達はそんなあなたの事をつき離せなかった。
心の中で、ずっとあなたの事を気にしていたの。
凛太朗の結婚を認めたのは凛太朗の頑張りもそうだけど、麻里さん、あなたの事が私は大好きだった。

もう、こんなに痩せちゃって…
麻里さん、本当にごめんさない…
そして、本当にありがとう…」

会長は気丈に振る舞いながらも、でも、溢れ出る涙は抑えられない。