「…あ」
私の目から涙が滝のように溢れ出す。
だって、そこには、斉木家の全員が私を待っていてくれたから。
「麻里先生!」
まず最初に、星矢君が私に飛びついてくる。
「もう、遅いよ~
僕達、ずっと、そわそわしてここで待ってたんだよ。
麻里先生、本当は凛太朗と結婚したくないのかもって思ってドキドキしてた」
私は涙目になっている星矢君を優しく抱きしめた。
もう、何も言葉が見つからない。
そんな私に優しく声をかけてくれたのは、綾さんだった。
「麻里先生…
ごめんなさいね…
私…」
綾さんは、私以上に泣き出した。
そして、私を抱き寄せて、それでも、ただすすり泣くだけの綾さん。
すると、隣に来ていた専務が重い口を開いた。
「綾は…
麻里ちゃんが出て行ったあの夜から、ずっとこんな感じで泣いてばかりだった。
僕達は良かれと思ってした事だったけど、でも、ずっと心の中では後悔してたんだ。
麻里ちゃんが本当にいい子だったから、特に、綾は麻里ちゃんの事を本当に妹のように可愛がっていたからね。
綾の苦しむ姿を見て、僕自身もしばらくは元気がなかった」



