凛様は私の左手を取り、そっとその指輪を薬指にはめた。
「麻里の方こそ、本物のお姫様だよ…
俺はアメリカで麻里を見かけた時から、そう思ってた。
優しい笑顔に、品のある佇まい、何て綺麗な人なんだろうって…
もう二度と離さない…
一緒に幸せになろう…」
私は無意識に首を横に振ってしまう。
凛様と離れたくない、離れたくないけど、でも…
「でも、会長や綾さんと…
約束したんです…
私…」
後は涙で言えない。
私が肩を震わせて泣いていると、凛様は私の隣に来て肩を抱き寄せた。
「でも、は言わないって約束しただろ…
それより、お腹空いた。
別の部屋に食事を準備してあるんだ。
大丈夫だから、そんなに泣かないで…」
凛様はお店の人に手をあげて合図をする。
すると、お店の人が先に歩き、私達を違う部屋へ案内してくれた。
その部屋のドアは、中央から両開きになっている重厚で豪華な扉だった。
凛様はさりげなく私をそのドアの中央に立たせる。
すると、お店の人が、両側のドアを一斉に開いた。



