さっきから凛様は一人でたくさんお喋りをしているけれど、でも、何一つ肝心な事は言ってない気がする。
だって、未だに私は半信半疑のままだから。
「…でも」
凛様は眉をひそめて、首を横に振る。
そして、残っていたカクテルを一気に飲み干した。
「でも、でもって、でもはもう言わなくていいんだ」
凛様はいつもと変わらない微笑みを浮かべて私を見つめる。
「本物の俺が本気で言うから、麻里も本気で聞いてほしい」
私は早口言葉のような台詞に、また笑った。
凛様はわざと私を笑わせている。
悲しみの固まりを追い出すように、私から微笑みを引き出しているみたいに。
「麻里、結婚しよう…
今回の愛の告白は、結婚したいじゃない。
結婚をするんだ… 俺達…」
凛様はポケットから小さな箱を取り出した。
そして、その箱を開くと、見た事のない程の大きなダイヤモンドの指輪が入っていた。
「この間にみたいに、慌てて買いに行ったものじゃないから。
俺達の大切な日に見合う素晴らしいものにした…」



