シンデレラは騙されない



「どう?
俺の王子様っぷりは?
本物に見える?」

私は凛様の例え話が的を得ているのかどうかも分からないけれど、でも、凛様のその表情が可愛くてつい笑ってしまった。

「凛様はどんな時でも王子様です。
生まれた時からずっと」

凛様は私の顔に自分の顔を近づける。

「違う…
シンデレラを射止める王子様は、完璧じゃなくちゃダメなんだ。
人間性にしても、仕事にしても、みんなに尊敬されなきゃ何事も始らない。

麻里…
俺はやればできる人間だった。
麻里っていう餌がぶら下がってれば、何でもできる」

「餌?」

凛様は笑いながら、私に軽くキスをした。
誰にも気付かれないようにさりげなく…

「餌じゃなかったら、ご褒美?
いや、それも何だか違う。
っていうか、俺は麻里のためなら何でもできるし、何でもやれる。
麻里を失うなんて、俺にとっては死ねって言われてるのと一緒だから」