「……はい、分かりました。
あと、こんな事またお願いするのは本当におこがましいんですが、専務のご実家の会社に入れてもらえるのなら、お願いしてもいいですか?
弟の進学は諦めたくないんです…
それに、家族に心配をかけたくなくて…
職まで失ってしまったら、私達家族は色々な面で立ち直れないと思うので…
すみません…
専務のお気持ちに甘えさせてもらっていいですか…?」
涙など見せる事のない専務の目が真っ赤に潤んでいた。
隠す事もせずに、こぼれ落ちる涙をそのままにしている。
「麻里ちゃんは、本当にいい子だね…
こんないい子にこんな酷い仕打ちをして、僕達にはいつか天罰が下るかもしれない。
でも、これだけは覚えていて…
綾も星矢もお義母さんも、凛太朗君と同じくらいに麻里ちゃんを愛していた。
僕だってそうだよ。
今までだってこれからだって、ずっと麻里ちゃんを応援してる。
それだけは忘れないで…」



