「ただいま。
……山本さん、何かあった?」
山本さんは静かに目を閉じて、小さく深呼吸をする。
「会長や綾さん達が、麻里先生が帰ってきたら、直接リビングに来るようにって」
私が黙っていると、山本さんは私の手を握った。
「大丈夫…
麻里先生はいつもの笑顔を忘れないで」
何が起こっているのかさっぱり分からないけれど、私は山本さんに心配をかけないよう笑顔で頷いた。
そして、皆が待つリビングへ向かう。
「麻里です。
ただ今、帰りました」
リビングに入ると、全員が揃っていた。
そして、驚いたのが、星矢君が私の顔を見て泣き出した事。
「麻里先生、お帰りなさい…
帰ってきてすぐに呼び出してごめんなさいね」
綾さんはそう言ってくれたけれど、その顔は苦悩に満ちている。
私は何となく分かってしまった。
星矢君の涙が、私にそう訴えているから。



