シンデレラは騙されない



星矢君の受験が終わった二日後、明日には星矢君の第一志望校の合格発表がある前の日、想定外の出来事が起こった。

私はいつも通り山本さんと交代するために、夕方の6時半には斉木家に帰り着いた。
正面玄関から入ってきた私を、山本さんは浮かない顔で待っていた。

「おかえりなさい、麻里先生」

最近の私達は親友みたいに仲良くなっていた。
凛様の事も清水さんに聞いて知っていた山本さんは、笑顔で応援するって言ってくれた。

この間の週末は、山本さんの新婚家庭に招かれて、山本さんの旦那様とも友達になった。
思っていた以上に、イケメンで驚いた。
性格も穏やかで、山本さんの方が旦那様にメロメロの状態なのが見てとれた。

そんな彼女だからこそ、大好きな凛様と私が幸せになる事を願っている。
山本さん曰く、恋に落ちるという事は、神様が決めた事らしい。
神様が決めた二人なのだから、幸せになる努力をしなければいけない。

私は山本さんの言葉にいつも救われた。
私の事も凛様の事も知っている山本さんに認めてもらうという事は、認められる事に飢えている私にとって最高の喜びだった。

そんな山本さんの顔に笑顔がない。