シンデレラは騙されない



私達は他愛もない会話で二人の時間を無駄に過ごした。

私は無駄だとは思っていないが、きっと平塚さんとしてはそうだと思う。
だって、私はいつでも上の空で、早く帰りたいとそればかり考えていたから。

「今の麻里ちゃんに僕は何も期待はしてないよ。
でも、本当に本当に困った時に、その時は僕の事を思い出して」

本当に本当に困った時って、何だか不吉な余韻が残ってしまう。

平塚さんの後ろ姿を見送りながら、本当に本当に困った時がこの先訪れそうな気がして、私は無理やり首を横に振った。


そして、11月に入ってすぐ、星矢君の本番の日がやって来た。

でも、その前に星矢君はもうすでに二校の合格を勝ち取っている。
でも、それはいわゆるすべり止めで、今日、受験する一番倍率の高い小学校が第一志望だった。

昨日、親子面接を済ませ、今日は学科試験の日。
学科といっても、オールイングリッシュで先生達とお遊びをするスタイルの試験だ。

「星矢君、頑張ってね!」