シンデレラは騙されない



「悠馬君、ゆっくりしていってね。
僕もそのまま星矢と寝てしまうかもしれないから」

すると、会長も席を立った。

「私も失礼するわ。
あとは、若い方たちで盛り上がってね」

結局、私と綾さんと平塚さんの三人になった。
綾さんはかなり飲んでるせいで、頬がほんのり赤い。
でも、ハッとした顔をして、穏やかな微笑みを私達に向けた。

「私も何だか飲みすぎたみたいだから、部屋へ帰らせてもらおうかな。

このままここで飲んでもいいし、どこか場所を変えて飲み直してもいいし、後は悠馬君にお任せします」

綾さんはそう言うと、私達に手を振ってリビングを後にした。
平塚さんは私の顔を見て、困ったように首をすくめる。

「麻里ちゃん、時間は大丈夫?
場所を変えようか」

ここで断るわけにもいかず、私は小さく頷いた。

そして、私達はタクシーに乗り、お洒落なショットバーに入った。

平塚さんの行きつけの店なのか、店員さんは平塚さんの顔を見ると、すぐにVIPルームへ案内する。

平塚さんのおもてなしは、大人の雰囲気が漂って私にとっては全てが未知の世界。
でも、それがいいとは思えなかった。
凛様が恋しくて泣きたくなる。
凛様に会いたい…