平塚さんと食事をしてから三日が過ぎた。
あの日以来、平塚さんからは何も連絡はない。
そのせいか、斉木家の人々も、私の前では平塚さんの話題を振る事は一切なかった。
私はというと、あの日の夜に凛様と交わした約束が心の支えになっていた。
凛様からもらったダイヤがあしらわれたリングも、気にせずに左手の薬指にはめている。
まだまだ気持ちは揺れているけれど、でも、信じる人は凛様だという事は揺らぎたくない。
大好きな会長や綾さんを敵に回しても、揺らいではいけない。
その気持ちが、強固な鉄の壁となるには相当な時間がかかりそうだけど…
そして、凛様は相変わらず忙しいそうにしていた。
日本にいる間は、専務について上層部のやるべき事柄を教わっているらしい。
でも、現場の状況をちゃんと把握したいというのが凛様の信条で、だから、時間が取れる時は全国の工場や小売店を隈なく回っていた。



