星矢君の表情が花が咲いたみたいに明るくなった。
返事をする前に、凛様の首元に抱きついている。
「凛太朗、麻里先生と結婚して!
僕は絶対に凛太朗がいい!」
「だろ?」
凛様は意地悪に微笑みながら、私を見てウィンクをする。
「でも、そうするには星矢の協力が必要なんだ。
まずは、星矢は頑張っていい小学校に入る事。
それは、俺も麻里先生も星矢のために頑張るから、一緒にやれるだろ?
で、もう一つは、星矢の受験が終わったら、おばあちゃまやお母様に俺から麻里先生との結婚の事を話そうと思ってる。
でも、おばあちゃま達は、悠馬さんの方がいいって言うかもしれない。
その時に星矢は、僕は凛太朗の方がいいって大きな声で言ってくれればいいんだ。
OK? 簡単だろ?」
星矢君は最高のミッションを与えられたみたいに、顔を紅潮させて大きく頷いた。
「でも、それまでは、ここにいる三人の秘密だぞ、了解?」
星矢君はもう一度、凛様に抱きついた。
「うん、絶対に、約束する。
ここの三人だけの秘密だもんね」
凛様は星矢君を抱きしめながら、ずっと私を見ている。
凛様の自信に溢れた瞳は、どういう手段を使っても俺は麻里を手離さないと、私に力強く訴えていた。



