シンデレラは騙されない



そんなある日、平塚さんから私に連絡があった。
それも、平塚さんの電話は、星矢君を囲んで会長も凛様も私も集うリビングの電話にかかってきた。

「もしもし、あら、悠馬さん?
お久しぶりです、元気ですか?」

電話に出た会長は平塚さんだと分かり、何度も私を見る。

「悠馬さんだ~~
麻里先生とお見合いするのかな~?」

星矢君も興奮している。
会長の近くへ座り、電話口で悠馬さ~んと叫んだりして、嬉しくてしょうがない感じ。

私は生きた心地がしなかった。
私の目の前に座る凛様の顔がみるみるうちに不機嫌になる。
会長や星矢君が変に思うほど、凛様の表情は明らかに怒っていた。

「麻里先生、悠馬さんよ。
連絡先が分からないから、ここに電話したって」

会長は私に目配せして、受話器を差し出した。
何だかとても嬉しそうに。

「もしもし…」

私は凛様に背中を向けた状態で、平塚さんと話し出す。
背中を向けていても、凛様の視線が刺さって痛い。