私は凛様の腕をすり抜けて早歩きで家へ向かう。
でも、そんな私を凛様が見逃すわけはなかった。
「悠馬さんに会ったんだ…」
「は、はい…」
凛様は私の手を無理やり掴み、近くにあるベンチに腰を下ろした。
もちろん私も一緒に。
「で? どうだった?」
「え?」
「悠馬さんだよ」
私は心を埋め尽くす嫌な予感を必死に追い払う。
「あ、はい…
いい感じの人でしたよ。
でも、それだけです…」
私は凛様を安心させるために微笑んで見せた。
「連絡先とか… 交換したの?」
私は大げさに首を横に振った。
だって凛様の事が大好きなのに、私はそんな器用な女じゃない。
「麻里…
頼むからもうあの人に会わないで…
悠馬さんは、マジであり得ない。
あの人の勝ち誇ったような笑顔は、昔から苦手だった。
綾の親友だからつき合ってきたけど、それがなければ絶対に友達にならない。
ごめん、こっちの都合なんだけど…」



