「凛様、お願いがあります…
凛様との未来が見えないわけじゃない。
でも、今は、自分の未来は後回しにしたいんです。
今は、星矢君のお受験に全てを集中させたい。
大好きな星矢君が悲しむ事がないように、しっかり準備を整えてあげたい。
自分の事はその後でもいいですか?
その後にちゃんと考えます。
自分の進むべき道を…」
この暗闇は凛様の表情を上手にぼかしてくれた。
凛様の苦しむ姿を見てしまうと、凛様に手を差し伸べたくなる。
愛してるって言葉をかけたくなる。
でも、それは、今はしちゃいけない。
それが、皆の、私達のためだから…
凛様は私の右手を握った。
そして、小さな子どもがせがむように、指を絡めて愛情をねだってくる。
私が動けずに俯いていると、凛様はその右手を力強く引き寄せて、私の体を自分の体ですっぽりと包み込んだ。



