佐々木さんの指もとても綺麗。
キーボードを叩く指先をついつい見てしまう。
でも、私の頭の中には凛様の顔が浮かぶ。
凛様はこんな風にキーボードを打つ事なんかしない。
凛様の仕事は、私には想像もできないくらい大きくて壮大な事。
そんな卑屈な事をまた考えて、隣に座る佐々木さんの横顔を見る。
私には、本当は佐々木さんの方が合ってるのかな、なんて思いながら…
「退社時間になったら、帰っていいですからね」
もうそんな時間?
私はスマホを覗き見る。
凛様からのメッセージは何も入っていない。
「あ、でも、まだもう少しはできます。
佐々木さんが一人でやるには多過ぎだから」
あと少しで終わりそう。
私は笑顔でそう言って、またパソコンに向かった。
それから30分程で全ての仕事は完了した。
入力も在庫の出し入れのチェックも完璧に終わった。
「佐々木さん、お疲れ様でした。
すみません、私、時間がないので先に失礼します」



