今朝、斉木家の朝食の場に凛様の姿がなかった事がちょっと気になっていたけれど、でも、凛様が会社に出社しても私がその事を知る術もなく、会社の中でも上部組織と下部組織の隔たりを痛いほど感じていた。
HAKASEの三代目が華々しく出勤したとしても、販売促進部の発注係には何の影響もないし、報告もない。
自分のこの僻み思考が本当に嫌いだけけど、でも、ポジティブなお花畑の思考よりはまだましなのかも。
だって、いつか私もお姫様になれるなんて思っていたら、奈落の底に突き落とされるのは目に見えている。
「麻木さん、5番に外線が入ってま~す」
私はデスクに置いているカレンダーを見た。
毎月第二と第四の木曜日に、私に会いに来る人がいる。
その人は、横浜支店で営業ナンバーワンのイケメン独身男。
成績も顔もいいのに、残念ながら性格が悪い。
そんな性格が悪くて皆には好かれない佐々木という男は、何故か私の事が大好きだった。
主任の大木さんが、私の方を見て苦笑いをしている。
「いつも通り、お昼から、横浜支店の在庫の入れ替えと入力を手伝ってね。
佐々木君と二人っきりだけど…」
私は大げさにため息をついて、外線に出た。



