やっと現実に戻った私は、廊下に誰も居ない事を恐る恐る確認する。
私は早くこの場所から離れたくて、急ぎ足で自分の部屋へ向かった。
凛様が常務というとても偉い役職につくのは当たり前の事で、その常務の命令だったら背くわけにはいかない。
でも、でも……
凛様にも会長達にも良い顔をするのは不可能で、どこかでどちらかを切り捨てる選択をしなきゃならなくて…
そんな私の頭の中に凛様の屈託のない笑顔が浮かんでくる。
友達がいないのなら、ほんの少しの間だけ凛様の近くにいてあげたい。
そして、もし、凛様が本当に私に愛の告白をしてくれるのなら、きっぱりお断りするのはその時でもいいのかもしれない。
だって、今は、つき合ってって言われたわけでもないし、友達として接する事は何も変な事じゃないはずだから。
そして、次の日、私はいつも通りに会社に出社した。



