僕のテンションには到底似ても似つかない、声とともに1日分の教材と弁当の詰まった重たい凶器、もといスクールバッグが後頭部に叩きつけられた。

「…おはよう。鳴瀬」

挨拶を返してやれば、君は嬉しそうに笑った

笑った顔が似合うやつだと思った。
こいつの触れるもの、話すこと全てが色づいて、僕の眼にも色が見えた。

高校1年の夏。
君は長崎から来たと言っていた。