「ほんとシロは子どもっぽいよね。男子にも興味ないし、妹と遊ぶとか信じられないわ。私なら絶対無理」


「だよねー。私も無理だわ」


人を嘲笑するのが好きな二人。
別に妹と遊んだっていいじゃない。


年の離れた妹、沙彩(さあや)は今年小学校に入学したばかりのピカピカの一年生。


毎日学校であったことを私に話してくれる。
昨日は学校で友達と絵を描いたらしく、
それを見せてくれているうちに二人でお絵かき大会になった。


「あっ、そろそろチャイムが鳴りそう。私、席に戻るね」


ぞろぞろとクラスメイトたちが自分の席に戻っていくのを見てやっと解放されると安堵の気持ちで私もそそくさと自分の席に着いた。



一週間前の席替えで二人とはだいぶ遠く離れた私の席。



窓際から二列目の一番後ろという特等席をくじで引き当てたときは、軽くガッツポーズをした。

二人にはもちろん見つからないように。



私の隣の席は空席。


クラスメイトが一月もしないうちに退学してしまったからだった。
ということは転入生は私の隣か。


イケメンは正直、どっちでもいいけれど、話しやすい人だったらいいな。
そんなことを考えながら先生の到着を待った。