「ねえね、昨日変だったけど何かあった?」

お弁当を作る私に、朝食のトーストをかじりながら沙彩が聞いてくる。

「な、何もないよ。なんで?」

「だって、ニヤニヤしたり、クルクル回ったり、うずくまったり、とにかく変だった」

「気のせいじゃない?」

そう返すと「ふーん」と不服そうな顔。
私だって自分でもよくわからないんだから
説明なんてできない。

ただ、望月くんの声を思い出すだけで胸が
騒がしい。

「あーねえねのかに座。今日は一位みたいだよ」