そう思っているのに、なぜか涙が溢れてくる。

大丈夫だってわかっているはずなのに......

そう私がうつむいていると

「何泣いてるんだよ......」

と、暖かい手が私の頬を撫でた。

その手は私の頬を伝っていく涙を拭った。

顔を上げると、太陽が私の頬に手を伸ばしていた。

「よかった......」

全身の力が抜け、涙が止まらない。

そんな私を見ると

「約束......した、だろ?」

と、太陽は呼吸器越しのこもった、小さな声で言った。

「俺は.....絶対に、いなく、ならないし......絶対、お前を幸せに......する、って」

と、途切れ途切れになりながらも太陽は力強く言った。

「太陽......」

どんどん涙が溢れてくる。

涙が止まらない。

でも、その涙は悲しくて流れてきたものじゃない。

「なんで.....そんなに泣く、んだよ」

太陽は泣き続けている私を見て、困ったように笑った。

「泣いてないっ」

顔を背ける。

「泣いてる、だろ」

「泣いてないのっ!」

そう必死に涙を隠そうとする私を見て、太陽は

「笑え、美琴」

と、言っていつもの眩しい笑顔を私に向けた。

その言葉にこたえるよう、私も彼に負けないくらいの笑顔を見せた。