「太陽くんにもう近づかないで」

そう言って、いつもの5人組のリーダー格の女の子が私にビンタをした。

周りにはいつものメンバーでなく、同じクラスの女の子たちがいた。

「私だってあいつと一緒にいたいわけじゃないのに」

私がそうつぶやくと、再びビンタをされた。

「あんたみたいな子、死んじゃえばいいのに」

そう私に怒鳴りつけると、女の子たちは去っていった。



教室に戻ると

「美琴、どこにいってたんだ?」

そうのん気に太陽は私にたずねた。

「別に」

私は目も合わせず、冷たくこたえた。

「そうか」

太陽はどこか安心したという感じで言った。

この人のせいでイジメがエスカレートしてると言っても、この人には悪気はない。

むしろ、この人は私のことを心配してくれているんだ。

だから、イジメられていることは太陽には話さないでいよう。

そう決めていたはずなのに......