ぎゅーと抱きしめられて

どこからか何かが溢れてきた。

そして、頬につたった。

「あ、のね。ほんとはね、莉奈ちゃんに、ドキドキしたの聞いて、その時、見てたから。莉奈ちゃんのこと、すきになった、のかなって」

ほんとに怖かった。

振られるんじゃないかって

冷めたって言われるんじゃないかって

「あー、それな。亜都羽だったらって想像したんだよ。見られてたか」

なんだ。

そーだったんだ。

ほっとすると

梓はニヤリと笑って

「じゃ。亜都羽やって。」

私に背を向けた。