サヤ、発見。

今日は家でないって行ってたのに、こんなところにいて。しかも寝てる。




この草に隠れて、驚かそう。

それにしても、この草、かゆいな。



「…クッション」



あ、起こしてしまったかな?


「んー。気持ちよく寝てたのに。誰」



忘れてた。驚かさなきゃ。


「わっ」


俺は、サヤに向かって、走りながら大声を出した。


「誰?」

「サヤ?」

「えっ?名前どうして知ってるの?ストーカー?こわっ。っていうか、ススキに隠れてなにしてるの?って、あんた誰?」

「あ、ごめん。ストーカーって言えば、ストーカー…」

「やっぱり、ストーカーなのね。おまわり…」

「あー、違う。違う。それ、土に名前のようなもの書いてあるから。」


サヤに慌てて言った。


「本当だ。自分の名前、書いてる。なんだか恥ずかしい。でも、声かけるって、変な理由だったら、ただじゃおかないからね」

「ただ?いやー、可愛いなぁと思って。」

「ありがとう。でもー、ま、私と同じような歳だし、大丈夫か。なにか大声出せばいいし。」


サヤさん、そんなに簡単に…。いいの?

勿論、言わないけど。何かするつもりないし。


「よく見たら、あなたもカッコイイ分類になると思うけど、何処からきたの?名前は?」

「遠くからきた。名前は、モン」

「モン?変わった名前だね。」

「本当は、違う名前だけど、昔っぽい名前だから、モンで」

「わかった。モンね。」

「サヤ、暇だったら一緒に遊ばない?お茶とか?

「いいけど?ナンパ?ストーカーじゃなくてナンパ。まぁ、いいけど。お茶は、モン持ちね。お金ね。」


ナンパじゃないけど、きっとそんなものになるのだろうな。


「うん。わかった。行こう。でも、俺、この辺知らないし、鞘の気に入ってるところにでもつれていって。」

「ナンパなのに、こういうナンパあり?」


そう言いながら、サヤは、何処かに連れて行った。

それから、喫茶店でお茶飲んで、晩御飯、月見団子をたべおわるまで、一緒にいた。




「バイバイ。またね」

「じゃ」


二人は、わかれた。