さっき思い出してたお盆過ぎのデートは、海斗がアメリカに行く前、最後のデートの日で。
泣かないつもりだったのに、結局泣いちゃった。
1年なんてすぐだよ、って海斗は言ったけど。
すぐな訳ない。
海斗がいないだけで1日が長く感じるんだから。
情けないなあ。
弱い女になっちゃった。
付き合う前はもうちょっと強かった気がするんだけど。
あれからもう1年か。
ねえ、海斗。
海斗の言った通りだったね。
早かったよ、ほんとにね。
ほんとはね、6回も逢いに行ってないの。
それどころか、一回も逢いに行ってない。
ラブラブしてるんでしょ、って結衣やクラスの子たちに言われたら。
ラインなんて、1日一回しかしてないのに。
見栄はって、バカなあたしは。
『この前、会いに行ったのー!これで6回目かな?』
なんて、嘘ついた。
ほんとは行きたかった。
不安で不安で、情けないくらい不安で。
最初の頃は夜も眠れなかったんだから。
でも、迷惑になるかも、と思ったら行けなかった。
海斗は来ていいよって言ってくれたけど。
海斗は違う世界で勝負してる。
自分を試してる。
だから、あたしも少しは成長しなきゃって思ったから、行かないって言ったの。



