世界で一番をくれる人


「ちょっと、何勝手に真帆に近づいてんだよ」


海斗もあの男を突き飛ばしてくれる。



頼ってごめんね、もっと強くなったつもりだったのに。



「なにすんだよ!これからいいとこだったのに!」



「どこがいいとこだよ!真帆が震えてるだろ」



そう言って、そっと抱き寄せてくれる。


あったかい、安心する。



…ねえ、これが幸せって言うんだよね?



「帰ろう、真帆」


「まてよ!俺はまだなにも聞いてないぞ」



「この状態で話せって言うのかよ。無理に決まってんだろ」



海斗は、あたしの持ってたリュックを担いで、肩を抱いてくれる。


それをあの男は引き剥がしてしまう。



強い力に抵抗する暇なんてない。


そんな隙、一切与えてくれずにあたしを自分の方へと抱き寄せる。