世界で一番をくれる人


かき氷屋から出ると、青空が少し赤く染まりかけていた。



「真帆、俺も連れて行きたかったところがあるんだ」

呟くように海斗が言う。



海斗が連れて行きたかったところ?



そんなのあるの?


「行っていい?」


「もちろん!」



これで終わりかって思ってたぶん、まだ離れなくてよくて嬉しさが増す。


「どこ行くの?」



「秘密、着いてからのお楽しみ」



「えー、酷いなあ」


でもそうやって意地悪な笑みを浮かべる海斗の顔。


あたし結構好きなんだ。



そう思ってるうちに、なんだか見慣れた通学路に入る。



「ここらへんなんていつでも来れるでしょ?」



「だめ、今じゃなきゃダメなの。あ、もう時間ない。真帆、走るよ」



「えっ、ちょっ」


ちらりと時計を確認した海斗が、あたしの左手を強く引いて走り出す。