「あんこがしょっぱかった思い出しかないかも」
「あんこが?」
「うん、まあかき氷かな。でもその中で一番甘かったのがあんこだから」
これでお別れ。
で頭の中いっぱいで、死にそうな気持ちをどうにか抑えてたのに。
結局溢れ出して、残念。
「来週行くんだねって話したら、真帆急に泣き出して」
「泣くよー!そんなこと言わないでよって、あたし思ったもん」
「うん、言ってた」
「あ、口に出してた?」
出してたってニコニコした、海斗。
「ほんとかなー?」
「ほんとだよー」
「あのね、すごく、辛かった。だから、帰ってきてもらえて。すごく、嬉しい」
「なんでまた泣きそうになってるのさ」
「泣きたいもん。すごく泣きたいもん」
「じゃあ泣いてもいいのに」
でも泣かない。
「前泣いちゃったから、泣かないの」
「泣いてもいいよ。寂しい思いさせたからな」
「…ぶわーかあーー!」
「なにそれ、バカって言いたいの?」
「そうだよ。っぐすん、ちょっと笑わないでよー」
「笑っちゃう。可愛い」
そう言って頭をボサボサに撫でてくれる。
だめ、今顔見られたくない。
絶対顔赤いもん。
ほんっと、だめだあ、海斗のことになると。
なんでも許しちゃって心緩みっぱなし。
1年でかっこよくなったあたしを見せたかったのに。
なんだか、残念。



