「あのっ...」
「おい、なんとか言えよ」「ぁ、ああっ」
話しかけようとしたら、かっこいいひとが痴漢の人を睨んでるところで。「おい、お前どうする?」と、急に私の方を向いて話しかけられたので、「え、えぇっ?私?」「は?お前しかいないだろ。どうすんの?警察に通報する?」「えぇっ!!それはいいです!」「お前自分が何されたか分かってんの?」「そうじゃなく...入試なんで警察に説明してる時間ないので...」「はぁ...」かっこいい人が手を緩めたら痴漢の人はすぐ逃げてしまった。「はぁ...降りる駅は?怖くなかったか?送ろうか?」「降りる駅...ああっ!」さっきアナウンス聞こえたと思ったらここだぁ...!「すみません、ここです!おります!」「は、...ちょ待て。」扉が閉まる前に降りたら、後ろで、「お前さぁ、バカなの?」という声が聞こえて思わず振り返った。「えぇっ!?なんでここに!?」「票。俺もお前とおなじ高校なんだけど。」「あっ!」顔に夢中で全然持ってる票に気づかなかった。「同じ場所に行くんだから送ってく。」