時は過ぎ2197年

俺は疑問に思うことが1つあった

99年より前の〝記憶がない〟

今日が不老不死の神になってから199年目

もうすぐ200年経つ事は分かる

しかし記憶だけがない

その時間自分が何をしていたのか

誰と過ごしていたのか

何も分からないのだ

(分からない……)

すると俺を呼ぶ声が聞こえる

「麗尾ー!起きて!!」

俺の身体を揺さぶる一人の少女の声

(そういや…獅から麗尾に変えて……って!!)

ガバッと布団から上半身を起こす

「もう…やっと起きた……」

「あ……音々ごめん……結構寝てた?」

「寝すぎっ!てくらいよ何時だと思ってるの?
お仕事もあるんでしょ?」

彼女の名は伊能音々ここ伊能神社の巫女だ

伊能神社は最初人が来ない

古くてボロい神社だったのだが

俺が不老不死の神様だとバレてから

この神社は名が知れるようになった

そしてここでの俺の仕事と言うのは〝血抜き〟だ

血抜きと言うのはどうやら俺の血液には

人々の身体を若く健康に保つ性質があるらしく

そのため俺の血を抜きその血で赤く染めたリボンが

この神社の売りとしているがためにこの仕事をしている