わたしの人生は良いものではない。
昔から運が悪いのだ。


生まれてすぐに両親が離婚。

小学1年生の冬に生まれ育った長野県を離れ、東京都にある祖母の家に預けられた。
なぜ母も父もわたしを引き取らなかったのかは、いまだに不明だ。
きっと聞いたところで悲しくなるだけの理由だろう。

そこから8年後の中学三年冬。
祖母が亡くなった。
72歳だった。癌を患っていたらしい。

祖母の家は私一人では住むには広く売りに出されてしまった。
祖母のお葬式には母が来ていた。
ただ申しわけなさそうにこちらを見る母の顔はいまだに忘れられない。