8階に付くと、既に昼の配膳車が、面談コーナーの所にある。
父の分… 【流】と書いた食事が見えた。
病室に行くと、父はベッドにいなかった。トイレ?
食事の予定表には、明日の昼から常食と書いてあり、また
【食堂でたべましょう】とも書いてあった。
のっそりと戻って来た父。
「おはよー。トイレ行って来たの〜?あのね、もうご飯、来てたよ〜。」
母に持って来る様に頼んだら、母は私に持って来てと言った。
左が冷たく、右が温かいトレイを震える手で(笑)溢さない様に病室まで運ぶ。
「あぃ、ご飯〜。」
父はベッドに座ったまま横向きの、ちょっと不自然な姿勢で何日かぶりの食事に目をやる。
ご飯が炊ける時の、上澄みの様なおも湯は、味がしないからと半分残した。
黄色いカボチャのスープも少し食べて、もう沢山だと言う。
「ゼリーもあるよ?」
『それなら食べれるかな?』
ゼリー、完食。


