「……………で?
仕事じゃないから………唯ちゃん?悠人??
誰にいじめられたの??」

いじめられたって……………

「泣きそうな顔だよ。」

微笑みながら……頭を撫でてくれる。

そっかぁ~。

洋ちゃんに慰めてもらおうと来たんだぁ。

幼稚園を挟んで左右逆に家がある。

ご近所さんだけど……来ようとしないとここを通らず帰ることになる。

お店を閉めるこの時間に来たってことは…………

甘えてるなぁ~。

「……………あのね、先生も唯ちゃんも……純粋なの。
咲が先生のこと狙ってるのに………。
咲のやり方にもイライラするし…………
……………でもね、一番イライラするのは…………自分自身なんだぁ。
何かがモヤモヤして…………」

言葉に出来ないこのイライラを、洋ちゃんに取り除いて欲しかったのかも。

「彩ちゃん、さっき言ったでしょう?
幼稚園の先生がウソをついたらダメだよって。
本当は、答えは分かっているはずだよ。自分に正直になってごらん。
どんな答えが出ても、支えてあげるから。」

………………………………。

怖い。

この答えと向き合うのは…………怖いよ。

多分、自分の醜い部分が見えてしまう。

「洋ちゃ~ん。」

「答えを見つけたら………なぐさめてあげるよ。」

洋ちゃんには………私の出す答えが分かっているみたい。