「こっちが俺のばぁちゃんで、こっちが幼稚園の先生をしてる彩ちゃん。
1年前に妹になった。」って……

そんな説明でいいの?って思うのに。

「まぁまぁ、彩ちゃん。いらっしゃい。
洋介の妹だったら、おばあちゃんの孫ね。ゆっくりしてね。」と

優しい笑顔で迎えてもらった。

おばあちゃんは、天国にいるお父さんのお母さんなんだって。

道理で、おばちゃんと違っておっとりしてる。

洋ちゃんのお母さんは、商売してるだけあって………

チャキチャキだもん。

「お世話になります。」って挨拶して、お部屋に案内してもらった。

田舎のお家なのに………

お部屋に入ってびっくり!

「ねっ、可愛いでしょう?彩ちゃん好きかな?って……。
ホワイトデーのプレゼント、どれにする??」

沢山の動物が、品よく飾られている。

おばあちゃんは、ぬいぐるみ作家さんなんだって。

自然の中で作りたいからって……

80歳を越えた今も、一人で暮らしてるんだって……。

洋ちゃんが時々様子を見に、泊まりにくるみたい。

「どれでも良いよ。」っていうけれど…………

この環境のこのお部屋だから………どの子も幸せそうな気がする。

「この子達を離したらダメだよ。」

私の答えに大笑いして

「すっかり、ばぁちゃんの世界に嵌まっちゃったね!」って……。

連れて帰ることを諦める代わりに、また連れて来てもらう約束をする。