そんな時………

「洋ちゃん、ただい………………」

『ま』を発する前に、見てしまった光景。

一足早く帰った海晴が、洋ちゃんと会っていた。

手には可愛くラッピングをした箱。

仲睦まじく、顔を近づけて笑いあっていた。

咄嗟に回れ右をして………飛び出すと………

商店街を駆け抜ける。

いつもの公園のいつもの場所。

お気に入りの滑り台に登ると………涙が溢れていた。

いつから泣いてたんだろう?

……………………ここは、先生に失恋して泣いた場所。

まさか再び………ここで失恋の涙を流すことになるとは……………。

気づいた時に失恋って……………。

それもまた………身近な友達とくっついちゃって。

どれだけ魅力がないんだろう。

………………………………あの時は、洋ちゃんが慰めてくれたのになぁ~

もう…………帰るところも無くなっちゃった。

ヨシ!泣こう!!

思いっきり泣いて……

明日『おめでとう!』って……言う。

自分を解放して泣こうとしたら………………

はぁ………はぁ。…………はぁ……と粗い息づかいが聞こえてきた。