ゆらゆら心地良い揺れ。

クスクス笑うと………「起きたなら、下ろすぞ。」と心にもない言葉。

「洋ちゃんは、下ろさないよ。バレンタインと一緒。
ずっとそばにいてくれるもん。」

一瞬背中が、ピクリと緊張して……

「バレンタインの日のこと………覚えてるんだぁ~」って……。

眠いし、酔っぱらっていたからかな?

なんの迷いもなく

「うん、ぜ~んぶ覚えてるよ~
唇の約束もねぇ~」って。

でも…………覚えてるのはここまで。

今回はホントに………記憶がない!!

朝日の眩しさと……頭痛から目を覚ますと………

ベットに洋ちゃんと二人。

……………………………………!!!!!

服は??

覗こうと布団を捲るも…………ズキン!!

あまりの激痛に諦める。

手をもぞもぞ動かして、確かめてたら

「おはよう。」って……

清々しい笑顔を向けられた。

……………………………………。

「おはよう…………。」

記憶のない自分が…………こんなに怖いことだって……初めて知った。

「起きれる?」

いつもと変わらない洋ちゃん。

でも………いつもより男を感じて………恥ずかしくなる。

「まだ眠い。」

そういうと

「だったら俺は、1度店に帰るから………起きたら味噌汁飲んで」って

頭を撫でて………おでこにキスをした。

びっくりして固まると

「昨日言ったこと………覚えてるよね?」って……

意地の悪い笑顔を残して、帰って行った。

…………………………………………………。